この記事は
私が懇意にさせていただいている方へ送ったものを
自分用に編集したものです。
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K:「見てきたでえ。ラテン文字の背表紙が並んどる中に、
いきなり『Голованов(ラテン文字表示したらgolovanov)』やないか。
ほんで、引っ張り出して見たら、表面はバカでかい名前の次に
『моцарт』、『Вагнер』・・・etcときとる。
これ、モーツァルトにヴァーグナーやないか。
そら、これでは、誰も買わんやろな。
16枚組の5,690円(一枚当たり355円)いうたら、
そなにメチャ格安いうんでもないしな。」
B:「ゴロバノフ言うたら、聞いたことあるぞ。
それ、ボリショイ劇場の指揮者で
スターリンの逆鱗に触れて失脚した
不遇なままに死んだ指揮者ちゃうか?
確か、『ソ連のストコフスキー』言うくらい極端に
クセのある演奏するんで、『社会主義リアリズム』路線にひっかかる
とかいうんでやられたはずや。
それに、『坊主憎けりゃ袈裟まで憎し』や。
宿敵ヒトラーが溺愛したヴァーグナーをスターリンは極端なまでに嫌うとった。
それを演奏・録音したいうたら、そら失脚もするわな。
よう粛清されんかったもんや。」
K:「なるほど。こりゃ、スターリン時代に失脚した芸術家の
『名誉回復』盤やな。
にしても、音質は期待できんな。
俺も、ソ連時代の国営メロディアレーベルのレコードで、
ラフマニノフの「晩祷」やグラズノフの交響詩持っとるけど、音悪いわ。
演奏はええんやけどノイズは入る大音量になったら音は歪むで、
ソ連時代の録音技術の低さ露呈やな。
それと、Танеев(Taneev:タネーエフ?)に
Калинников(Kalinnikov:カリンニコフ?)いうて何もんや。
曲入っとるらしいけど、俺、初めて見たぞ。」
B:「俺も、タネーエフは名前くらいは見たことあるけど
演奏はなあ。
そういう意味では、そのCDボックスやっぱりレアもんなんやろな。」
K:「よっしゃ。ほんだら、俺、あんたのも別発注しとくわ。
タワレコに残るあのボックス、もし誰かに買われとったら、
俺やあんた以外にも、高松にも相当の粋人がおるっちゅう左証やな。」
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