ドイツに 『 ロイターポーセリン 』 という
ポーセリン( 陶磁器 )で作ったフィギュアの専門会社がある。
1体何百万もする超豪華ポーセリンアートは、
スペインの 『 リヤドロ 』 が破竹の勢いの快進撃を続けているが、
ミニチュアのポーセリンフィギュアは、このロイターの独擅場が続いている。
『 ロイターポーセリン 』 を検索すると、
まあ少女趣味なミニチュアの写真が所狭しと出るわ出るわ。
値段も手ごろで手は出し易いが、 『 リヤドロ 』 が大人の世界なら、
こちらは完全に少女趣味の世界。
さすがに今まではええ歳したオヤジが手を出すには
(どうもねえ・・・)
だったが、最近になってこの会社、ドイツ語圏音楽マニアの
実に痛いところをついた大作 ( と言ってもミニチュアだから小さい ) を出した。
『 ロイターポーセリン ミュージックハウス 』 で検索すれば出てくる。
画像を見れば分かるが、楽器店のショーウィンドーのミニチュアと考えればよい。
その名もドイツ語で 『 ムジークハウス 』 と左上方に書かれ、
指先に乗るようなヴァイオリンを始めとした弦楽器にはすべて弦が張られ、
管楽器のキーやピストンも、まるで実物の楽器のような巧妙なつくりである。
( たかがオモチャをよくここまでリアルにつくったものよ )
やはり、ドイツは良くも悪くもマイスター魂の固まりの国だ。
筆者が痛く感動したのが、ミニチュア店のウインドーの飾り棚。
ここに本業の陶器の絵皿ミニチュアが並べてある。
見ると、最上段には左にリヒャルト・ヴァーグナー様。
右にモーツァルト。
中段は左にベートホーフェン(わざとドイツ語で言う)、右にバッハ。
さらに、最下段には左にモーツァルトの石膏胸像、
右の2体は、一方は明らかにヴァーグナーだ。
もう一方は若き日のハイドンではないかと思うのだが、
買っておられる方、お分かりであればご教示願いたい。
堅物のドイツ人にしては
( えらくウィットをきかせたことをやってくれるわい )
と思ったのは、左にある、開放可能なドア。
開けると正面にチェロとギター、その上に何とポスターのミニチュアが貼ってある。
薄くなった目をこらして覗き込むと、
おそらくはベルリンフィルの常任時代であろう亡クラウディオ・アッバードが指揮をしている写真。
その上には、ご丁寧にもアッバードの名前の上に、
『 グスタフ・マーラー シンフォニーNo.9 』と
ヨコ文字で書いて、商店臭さを出してある。
このミュージックハウス、日本での販売価格は3万超だが、
この半値、1万5千円台で買えるお買い得版は 『 ミュージックルーム 』。
これも『 ロイターポーセリン ミュージックルーム 』 で検索すれば画像は出るが、
椅子つきピアノの上にはヴァーグナーの胸像のみ。
絵皿は同数、ピアノの上方に貼り付けられているが、
楽器の数も少なく、値段なりである。
総評として、この作品は
『 ドイツ人の、ドイツ人による、ドイツ人のためのミニチュア 』だと思われる。
日本人ではしゃぎまくっているのは筆者だけかも。
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この記事は
私が懇意にさせていただいている方へ送ったものを
自分用に編集したものです。
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