国際社会の中で、日本語公用文字は実に特異な存在だ。
義務教育修了時に習得しなければならない字数は、ひらがな、カタカナ、
さらにローマ字表記の大文字・小文字も加えると、表音文字だけで150近い。
その中で、筆者周辺の西欧人に限るが、
表音文字としてのカタカナに対する評価は極めて高い。
以下は、筆者周辺の西欧人のカタカナの評価について。
(1) 直線が多くて書き易い。
理由としては、
字数は、同じ表音文字アルファベット二六文字と比べると倍近いが、
カ行以下の字は、そもそもは子音字・母音字二字で書かれるべきものが
一文字で構成されているからであろう。
子音字・母音字分離の西欧的文字表現原則からすると、非常にユニークだ。
(2) 読み方のルールに規則性が高い。
これは英語が最たるものだが、『 a 』 と書いて、アと読むときもあれば、
オと読むとき、エイと読むときと、母音の発音に一貫性がない言語と比べれば、
一字一発音の割振りに例外がないのは、いかにも約束を違えない
日本人の精神性に相通じるものがある。
ただ、唯一の難点として、
どの西欧人も挙げるのが、ラ行にRとLの明確な区別がないことだ。
例えば、今、アメリカでは大統領選挙の真っ最中だが、
選挙は英語で 『 ELECTION 』。
カタカナで書けば、エレクションとでもなるのだろうが、
この 『 L 』 の本来の発音を、日本人は明瞭に発声し難い。
何の気なしにべらんめえ調でR発音したら・・・!
ということで、西欧諸国人にすれば、
100字近いカタカナ、ひらがなを学んだ先に待っているのは、
新聞レベルで1000語を超える漢字語を覚えること。
多くの外国人は、この時点で 「 日本語覚えるのは、や~めた 」 となるらしい。
合計すれば、4種の文字、アルファベット大文字、小文字、
さらに筆記体まで含めれば六字体を公用文字にしている日本語は、
やはり、普通ではない。
ただ、ほとんどの西欧言語の名詞には、
『 男女、または男女中性の性別 』 があり、
あれを覚えるのは漢字並みの苦労だという人もいる。
その点、英語は、字種は少なく、
書くことだけに絞れば、規則性のない母音発音に悩まされることもない上に、
西欧言語で唯一、名詞を性別に分けるという言語構造がない。
これがビジネス文書界で優位性を保てる原動力であろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿