アルバイトという言葉は、
日本では『 学生アルバイト 』、『 主婦アルバイト 』に代表されるように、
別に本業を持った人が、本業以外の片手間で賃金を稼ぐイメージで定着している。
しかし、
その語源はドイツ語の『 アルバイト 』。
こちらは、正規、非正規を問わず、「労働」そのものを指す言葉で、
このままの発音で、ドイツ語圏で立派に通用する。
明治初期の急速な西欧化政策の中で、
日本は十九世紀後半の当時、
科学、文化の分野で最先端を突っ走っていたドイツに範を求めた。
旧制高校では、現在の英語教育熱並みにドイツ語が必須で、
ワッペン、ギプスなどはドイツ語直輸入だが、
他に適当な日本語訳が見つからないほどに日本語化して、定着している。
一方、『 カルテ 』は、ドイツ語本来はカードの意味だが、
日本では医師の診療記録の意味で定着していて、
これも他に答え一発の適当な日本語訳は浮かんで来ない。
同様にアルバイトも、当時の貧乏学生が糊口をしのぐため、
破衣蓬髪で片手間労働しなければならなかった境遇を、
「アルバイトしとるんじゃ」 と虚勢を張って煙に巻いたのが、
日本流アルバイトの語源となった。
この由来を思い出すたびに、
百人一首にある光孝天皇の歌を本歌取りした蜀山人の狂歌、
『 世わたりに春の野に出て若菜つむわが衣手の雪も恥ずかし 』
が頭に浮かぶ。
ところで、ドイツ人は自他共に認める愚直な民族である。
真冬の夜、一本道に信号の付いた横断歩道があるとする。
車の影など全く見えない。
そんな状況下にあっても、
信号が赤の間は極寒に震えながらも横断しようとしないドイツ人を、
隣国フランス人は
「道路は人のためにあるものだ。車のためにあるのではない」
と笑い飛ばす。
その逆襲として、
『 絶対に出ることのない人物は、フランス人の道徳家、
米国人の哲学者、英国人の名料理人、ドイツ人のコメディアン 』
と世界的に有名なジョークがある。
その堅物、ジョークには縁遠いドイツ人が発した、
と言っては現代ドイツ人には誠に失礼かもしれない。
ナチスドイツが発したというのが正しいのであろうが、
世界最醜悪なジョークがある。
「 アルバイト マハト フライ 」
マハトは「何々になる」の意味で、フライは英語でフリー。
合わせて「労働すれば自由になる」ほどの意味だ。
ナチスは、この標語看板をアウシュヴィッツを始めとした
ユダヤ人根絶収容所の入口に掲げた。
今でも、アウシュヴィッツでは
記憶モニュメントとして保存・展示されている。
収容者にすれば、
強制労働でこき使われて死んだら魂は自由になる。
そうでなければガス室送りで、
魂は肉体から解き放たれる。
この二つしか道はない。
確かに魂は自由になるのであろうが・・・。
イスラム諸国やアフリカの、
今や隆盛を極める(?)反政府勢力は、
子供を拉致し、強制労働の傍ら、
アルバイト気分で人を殺せる洗脳教育を施している。
こわいアルバイトだ。
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