皆様、明けましておめでとうございます。
皆様方には、お元気で穏やかな新年をお迎えのことと思います。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
芸術情報研究所の研究の柱である
スピーカーの平面配置による再生の効能研究については、
なかなかにこれと言った決め球が見出せません。
そんな日々が続いております。
しかし、人生を60年も生きると、過去の経験と現在の何かを結びつけて、
新たなものを見出すことができるようになるのは強みかもしれません。
そんな思いをひとつ。
今年も新年恒例のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを見ましたが、
今年はその1時間前にプレ番組を放送し、
ウィーンフィルの音の舞台裏を垣間見ることができました。
その中での新発見の事実。ウィーンフィルの楽団員の持つ楽器は
メインテナンスの効いた楽団所有のものを楽団員に貸与しています。
そのヴァイオリンは、いわゆるドイツオールドヴァイオリンですが、
1人だけストラディヴァリを持つことが許される者がいます。
それはコンサートマスターです。
今、世界に600丁ほどのストラディヴァリが有ると言われていますが、
それをウィーンフィルの団員の持ちたい者に持たせるとどうなるか・・・。
似たような話を読んだことがあります。
バイロイトで長く合唱指揮者を勤めたノルベルト・バラッチが来日時に、
バイロイトの合唱の「声」の作り方はどのようにしているのかを聞かれたとき、
「最初は、オペラのアリアを歌うような歌い方をする者もいるが、
そこは鎮めて、鎮めて、ビブラートを効かさない、自然な発生をするよう
均質性を持たせる。」
「ビブラートを効かせた派手な発声はソリストのすることだ」、が言外に見えます。
ひるがえって、
皆さんお持ちのHi-Fi(ハイファイ)セットの直線再生の左右スピーカーは、
(1) ソリストだけが立っている状態ではないのか。
(2) コンサートマスターが持つストラディヴァリのみが鳴り響いている状態ではないのか。
(3) 後ろにいるオーケストラの厚みや合唱の深みは出せているのか。
平面再生をすることにより、前後スピーカーの発する音の時間差、
音同士の干渉、その他、直線再生では起こりにくい現象が生じることで、
ある程度(3)が強調できるのではないでしょうか。
ですが、それは人類が求め続けたスピーカーのHigh Fidelity を
ぶち壊しての所業になりかねません。そして場所も取ります。
現状においては、市場性を無視した研究に見られるのも無理はありません。
しかし、何かが違います。平面再生の方が自然に近い。音が柔らかい。
もしかしたら、直線再生には無い快感が得られているのではないか。
これを数値化するのが、今まさに我々がやっている戦いに他ありません。
本年はさらなる飛躍を目指し、具体的には、
平面配置スピーカによるリスナーの心地よさの判断手法などの
研究と地域活動に邁進してまいります。
本年もなにとぞ弊所をご愛顧賜りますよう、よろしくお願いいたします。
また、最後になりましたが、
本年も皆様の益々のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。
芸術情報研究所代表 近藤 紀文
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