自己紹介


はじめまして。近藤紀文と申します。
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2021年6月12日土曜日

余はいかにしてワグネリアンとなりしか ー運命の女神ノルンのつむぐ綱は未だ切れず、筆者とつながっている一 その7



・黄昏のワグネリアンから、黄昏のワグネリアン仲間へ、言上奉る。

ワグネリアンは物持ちだ。
レコード時代であれば、
1作に数枚のレコードがセットというのは、当 たり前。

「指輪4部作」全曲版のレコード全集など、
十数枚のレコードを相手にして、30分ごとに裏 返す。

そして、対訳とにらめっこ。

おそらく、ヴァーグナーだけで、
何百枚のレコードをお持ちとい うワグネリアンも結構おいでであろう。

LDが世に出て、両面で1時間余の動画・音声を、
全自動で見られて、日本語字幕付きになった。

天国が来たように思われた。

おそらく、この時代、1980年代後半のワグネリアンは、
LDが1タ イトル出るごとに、飛びつくように、買い込んだに違いない。

DVDの時代になって、日本語字幕はもちろん、
ボタンひとつで原語字幕との選択、さらに、日本 語字幕を下面に、
上面には、要所要所のポイントを解説した字幕まで出せるという、
もう、ほとんど 行き着くところまで行ってしまったというような、
芸の細かい全集が出たりして、かっては、
バイロ イトで演ぜられている全10演目を、場所こそ違えど、
すべてナマで見た、という筆者のプライドな ど、微塵に砕かれてしまった。

こんなものが、高松でも手に入るようになり、
旅行が億劫になる年齢 も手伝って、金に糸目をつけず、
ヴァーグナーと名が付けば、
東京へ、外国へと飛んでいった時代が、 なっかしくなりつつある。

しかし、ここで、黄昏のワグネリアン諸氏に申し上げたい。
あなたの集めたコレクションは、
あな た及びワグネリアンにあっては、宝の山であろうが、
さて、ご家族に、これを理解してくれる方が何 人いようか。

このご時勢、ただでさえ核家族化が進み、
奥方と二人暮らしのところ、奥方からは、お 荷物扱いされる、

あなたのヴァーグナー・コレクション。

あなたが亡くなって、運よく、
中古レコー ド市場にでも流してくれるような奇特な人でも居れば、
まだ、救いようがある。

周辺に、その価値を 理解できる人が一人もいなければ、
あなたの宝の山は、一夜にして不燃ゴミの山と化すことであろう。

本稿をお読みのワグネリアン諸氏よ、
今こそー致団結し、
この貴重な人類の遺産の散逸を防ぐ手当 てをしておこうではないか。

例えば、本誌の編者、
香川県では数少ないヴァーグナー研究家・最上英 明氏を事務局に、
おのおのが所持するコレクションを申告し、
もしものときは、学術研究のために遺 贈する手はずを整えておく、
なんぞ、いかがか。

因みに、筆者は、
バイロイトで上演される10演目
(さまよえるオランダ人、
タンホイザー、
ローエングリン、 ニュルンベルクのマイスタージンガー 、
トリスタンとイゾルデ、
ニーベルングの指輪全 4部作
(ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏)
及びパルジファル)
すべての スコア(総譜)を持っている。

レコードや映像を全演目持っているというワグネリアンは、
このご時 勢、結構いると思うが、
スコアとなると、そうはいくまい。

果たして、香川県にいるだろうか?
これ だけのスコアを持っている人が?

実際、筆者は収集に、半端でない時間と金をかけた。
えっ?
なぜ、また、そんな酔狂なものを集めたのかって?

理由は簡単です。

再度言います。

ヴァー グナーの作品は、すごい。深い。

和音が厚い。

他の音楽とは全く違う。

これを実証するには、
レコー ド、CD、LD、DVDと、
メディアは増えたが、やはり原点(又は原典)に返れ、だ。

ヴァーグナ ーの作品のスコアは、とにかく分厚い。

そりゃ、1作3時間などざらなのだから、
当然と言えば当然 だ。

そして、ページをめくれば、和音の厚さ、深さが眼前に広がる。

なんと多数の楽器が多重構造で 演奏していることか。

かって、ドイツ語に不慣れな頃は、対訳を相手に、
今どこを歌っているか、必死で追いかけていた が、原語と日本語対訳が、
ボタンひとつで自由に画面に出せるようになったDVD時代においては、
スコアを追いかけることが、最後にワグネリアンに残された、
マニアックな楽しみとなった。

さて、この、貴重な文化資源、必要とあらば、いつでもお貸しする。

そして、ヴァーグナーの作品 のすごさ、深さ、和音の厚さを、
ご堪能いただきたい。
これも、文化ぺテン師の面目躍如、黄昏のワ グネリアンの生きる道だ。

<終わり>

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