【レオポルド・ストコフスキー】
ストコフスキー十八番のオーケストラ版バッハは、
彼の個性丸出しの名盤である。
当時はD・グラモフォンと
録音技術と音の良さを競ったロンドンレーベルでありながら
(何でこんなに音が悪いんだ)
という印象が、やたら強かったように思う。
今考えれば、あれは当時社会主義国で、
決して録音・技術環境がいいとは思えないチェコで録音したはずで、
当時の時代背景を考えさせられる名(迷)盤である。
ストコフスキーとフィラデルフィア管弦楽団出演の
音楽映画『オーケストラの少女』はLD時代に買った。
ストコフスキーが育て、オーマンディーがかき鳴らしたと言われた、
フィラデルフィア・サウンド。
貧乏学生時代、CBSの廉価版レコードは随分と買い込んだが、
オーマンディー&フィラデルフィア、セル&クリーブランドは、
どれを買ってもスカがない名盤揃いで、投資効果があった。
いわゆるホーム・ミュージックと言われる軟弱クラシック曲まで録音しまくり、
戦後のカラヤンの録音商業主義の手本ともなったストコフスキーだが、
戦前・戦後の米クラシック界を方向付けたのは間違いなく彼だと思う。
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